もうすぐイチゴの季節！知っておきたい酸性食品と歯の関係～歯科医師が教える、美味しく安全な食べ方～

こんにちは。桶川市の手代木歯科医院院長の手代木です。そろそろ埼玉県内の施設栽培では早生品種のイチゴの収穫が始まる時期となりました。特に近年は栽培技術の向上により、11月下旬から12月にかけて、甘くて美味しいイチゴを楽しめるようになっています。また、ケーキ屋さんでもイチゴを使ったスイーツが徐々に増えてくる季節です。年末年始に向けて、クリスマスケーキや誕生日ケーキなど、イチゴを使ったデザートを楽しむ機会も増えてくることでしょう。

今回は、これからのイチゴのシーズンに備えて、美味しく安全にイチゴを楽しむための歯のケア方法についてお話ししたいと思います。

待ちに待ったイチゴシーズン到来！

埼玉県は、「とちおとめ」「紅ほっぺ」など、様々な品種のイチゴ栽培が盛んです。また、「あまりん」「かおりん」「べにたま」を始めとする埼玉県産いちごも生産されています。

近年は施設栽培の技術向上により、早い農園では11月下旬から収穫が始まります。温度管理や水分管理が徹底された施設での栽培により、真冬でも甘くて美味しいイチゴを楽しむことができます。

また、パティスリーやケーキ店では、これからの季節限定メニューとして、様々なイチゴスイーツが登場します。タルトやショートケーキはもちろん、チョコレートファウンテンでイチゴを楽しむパーティーなども増えてくる時期です。

酸性食品が歯に与える影響とは

イチゴの酸性度（pH）は約3.0～3.5と、かなりの酸性です。参考までに、中性は7.0、レモンは約2.2です。この酸性がエナメル質に与える影響は決して小さくありません。

歯の表面（エナメル質）は、pHが5.5を下回ると徐々に溶け出し始めます。これを「脱灰」と呼びます。イチゴに含まれる酸は、この脱灰を引き起こす可能性があります。特に気をつけたいのは、これからの季節に増えるイチゴスイーツです。イチゴと生クリームの組み合わせは、酸味が和らいで食べやすくなる反面、口の中に長時間とどまりやすくなります。

また、脱灰が進むと、歯の表面が薄くなり、知覚過敏の原因となることがあります。寒い季節は、もともと知覚過敏が気になりやすい時期。イチゴの酸味と冷たさが重なると、より症状が気になる可能性があります。

イチゴを安全に楽しむための方法

これからの季節、パーティーやお祝い事でイチゴスイーツを楽しむ機会が増えてきます。そんな時は、少しの工夫で歯への影響を最小限に抑えることができます。
まず、食べ方を工夫しましょう。一度に大量に食べるのではなく、ゆっくりと味わって食べることをお勧めします。特にパーティーなどでは会話を楽しみながら、少しずつ食べることで、自然と唾液の分泌も促されます。
また、デザートとして食べる場合は、食事の終わりに食べるのがおすすめです。食事の後は唾液の分泌が増えており、酸の中和が促進されます。寝る直前の摂取は避けましょう。夜間は唾液の分泌が減少するため、酸の影響を受けやすくなります。
さらに、チーズと一緒に食べるのも効果的です。チーズにはpHを中和する効果があるため、イチゴやスイーツの後に食べることで、酸の影響を和らげることができます。パーティーの際は、デザートプレートにチーズを添えるのもよいでしょう。