タバコが歯に与える影響

タバコはよく『百害あって一利なし』、というように表現されます。実際、肺がんの原因になっている、妊娠中に吸うと胎児に影響が出る、といった話は有名ですね。実はこれは口の中にとっても例外ではありません。タバコが歯やお口に与える影響とはどのようなものなのでしょうか。■タバコが歯やお口に与える影響1.歯周病のリスクが高まるタバコから出る煙には、さまざまな有害物質が含まれています。代表的なものは、一酸化炭素、ニコチンといったものです。これらの影響で、歯茎の酸欠、免疫力低下、唾液の分泌低下などが起こり、歯周病のリスクが高まります。また、歯周病の典型的な症状が出にくくなり、発見が遅れる、治療をしても治療効果が出にくい、といった問題もあります。2.歯茎や唇が黒くなるタバコに対する生体組織の反応として、メラニン色素が多く作られるようになります。その結果、歯茎や唇が黒ずんだ色になっていきます。また、歯周病による歯茎のうっ血によっても歯茎は黒ずんでいきます。3.口臭タバコに含まれるタールの匂い、歯周病による口臭が混ざり、強い口臭が起こります。4.ヤニの影響茶色いヤニ(タール)が頑固に歯にこびりつき、見た目が悪くなる他、そのベタベタした表面にプラークや歯石がつきやすくなります。5.口腔ガンにかかりやすくなるタバコには200種類もの有害物質、約70種類の発ガン性物質が含まれると言われており、お口の中のガンのリスクを高めます。6.傷口が治りにくくなるタバコを吸っていると、抜歯後、インプラント後など、傷口の治りが悪くなります。副流煙がお子さんのお口の健康に影響することも・・・最近の研究によると、喫煙者の子供には、歯茎のメラニン色素が濃く沈着しているということがわかっています。これは副流煙によるものだと考えられており、タバコの煙に対する防御反応としてメラニン色素が沈着すると考えられています。また、違う研究では、親がタバコを吸っていると、子供に虫歯ができやすくなるということも報告されています。タバコによる影響は、吸っている本人だけでなく、身近な人にも影響を与える可能性がある、ということです。まとめタバコを吸っている方は、体の健康だけでなく、お口健康維持のためにも、なるべくタバコを控えるようにすることをおすすめします。また、もし喫煙する場合には、できるだけお子さんの近くで吸わないことで、タバコの影響をなるべく回避できますので、そちらにも注意されると良いでしょう。

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